2024年も音楽を聴きたくないくらいしんどい時はありましたが、なんだかんだ好奇心を失わず色んな音楽を知ったり聴いた1年でした。新譜ももちろん聴いていたのですがそっちはプレイリストを毎年作っているので、この記事では24年リリース以外の曲・アルバムを書き残しておきたいと思います。ではざっくりジャンルごとに。
_____________
【ロック編】
・Talking Heads『Stop Making Sense』(1984)
2月にライブ映画として誉高い「STOP MAKING SENSE」が4Kリマスターで上映されているというので観に行った。きっかけが何だったか忘れてしまったけど「まあせっかくだし観とくか」くらいの軽い気持ちだった気がする。これがバチバチにかっこよく面食らってしまいました。音はもちろんだけど、派手なことはせず照明とセットを駆使することでかっこよい演出、とにかく全身全霊で音楽を楽しむプレイヤーたちの動きや表情に釘付けになった。語り継がれているだけあるなと感じました。星野源ファン的には冒頭の「Psycho Killer」の演出は星野源のライブ「ひとりエッジ」内でもオマージュされており、そういえばオーディオコメンタリーでそんなこと言っていたなあと思い出しました。
・fedress「花束背中に隠すには」
2023年末くらいにライブ動画がアップされていて、それを見ているうちにハマって年明けはずっと聞いてました。いろいろ辿ってみたら東京を中心にアジアのシューゲ/インディーバンドのコンピ『Total Feedback 2020』で聴いてチャンネル登録していました。女性2人のツインボーカルって珍しいと思います。
【エレクトロ編】
・rei harakami『red curb』(2001)
どのアルバムも勿論聴いているはずなのですが、改めて考えてみたら『red curb』だけ聴かずに生きていました…。反省しています。聴き終えた時、『[lust]』と並ぶくらいの代表作じゃん!と思いました。当たり前すぎましたよね!!!!!すみません!!!!!
・宝達奈巳『宝達奈巳』(1994)
Twitterからサブスク解禁の報が流れてきて興味のまま一聴し、即「やべえ!」となったアルバム。90'sテクノサウンドに琉球音階が乗ったあの感じ、気になった人はぜひ聴いてみてください。90年代に日本でリリースされた作品が今年アメリカのレーベルから初アナログ化としてリリースされ、その流れでサブスクでも聴けるようになった様子。興味のベクトルが過去に向かっているのか未来に向かっているのか錯綜するすごい時代になってますね。
【JAZZ】
・Shaun Martin「The Yellow Jacket」(2015)
自分が不勉強なばかりにTwitterで流れてきた訃報で知りました。良い曲。
・Pat Metheny Group「James」(1982)
とにかくコードやメロディーが美しく、何度聴いても身体の細胞が喜んでいるような心地になります。自分の感覚をまた少し拡張してくれた大事な曲です。ウェットな音像も好みです。
【ソウル/R&B 編】
・Smorkey Robinson『Pure Smorkey』(1974)
これもきっかけはとっくに忘れてしまったがずっと聴いていた1枚。各楽器の音がすごく良いです。爽やかな5曲目「Just Passing Through」めっちゃ好きです。
・The Five Stairsteps「Dear Prudence」(1970)
The Beatles「Dear Prudence」をすごくいい塩梅にカバー。原曲をなぞりつつソウル心に響いてくるアレンジ最高です。ちなみにこのアルバム1曲目もビートルズカバーです。
・Sarah Vaughan「Yesterday」(1966)
ビートルズ繋がり。1日の終わりによく聴いていました。
・Lucy Pearl「Without You」(2000)
時代は下り、90年代のスターグループ Lucy Pearl。この曲を耳にする機会があり一聴してハマってしまいました。ラファエル・サディーク恐るべし。
【ポップス編】
・ドリーミング「アンパンマンたいそう」
流石に子どもの頃から親しんできた曲だけど、一時期冒頭の「もし自信をなくして くじけそうになったら いいことだけ いいことだけ思い出せ」というパンチラインを頭の中でリピートしていました。念仏のように。この歌詞の部分がTwitterでバズっていた気がするのでそれを見聞きしたのが潜在意識にあったのだと思う。
・Yerin Baek『Every letters I sent you.』(2019)
「Antifreeze」(The Black Skirtsという韓国のバンドのカバー)という曲のベース演奏動画を見て知っていたYerin Baek。またまたベースの演奏動画で知った「Square(2017)」がとてもかっこよくてよく聴いていましたし、ベースでも弾いていました。アルバムは2枚組18曲で近年の感覚から言うと大作ですが、全曲良い曲(本当!)なので聴けてしまいます。とりあえず最後の方にある「Square(2017)」だけでもぜひ!
・小林明子「恋におちて ~Fall in love~」(1985)
サブスクでオリジナルは配信されていないのでレコードでよく聴いていました。
・ShibayanRecords「彼と彼女とわたしの話」(2010)
確か渋谷系BOSSAみたいな雰囲気のキーワードがつけられたミックス動画をYouTubeで聴いてて知りました。東方アレンジらしく、東方を通っていない僕にはそっち方面の文脈で語ることはできないですが、ポスト渋谷系サウンドの頃のCAPSULE的なあの時代の空気がして最高です。
・BONNIE PINK『Let go』(2000)
今20代後半である自分にとっては「A Perfect Sky」のイメージが強すぎるせいで、このへんの時代の作品まで手が伸びず生きてきました(1stは聴いたことあるんだけど)。2000年らしい雰囲気感じられる上質なアルバムで繰り返し聴いた1枚でした。本当に全曲良い…。
・chara『Junior Sweet』(1997)
こっちも世代的にエアポケットになっている年代。Charaさんの近年の曲は聴いたことあるし、代表曲くらいは知っていたけどアルバムでは聴いたことなかった。全曲良いシリーズ。この時代も豊かな音楽たくさんありますね。
・雪村いづみ『スーパー・ジェネレイション』(1974)
服部良一先生の曲をキャラメル・ママ(ティン・パン・アレー)が演奏・アレンジしたアルバム。なんで今まで目に留まらず聴いてこなかったのか!って感じです…。ティン・パン・アレーが関わっているものは全部聴かなくちゃだめだなと改めて思いました。
「カードキャプターさくら」全然通ってないんだけど、この前本当に謎のアルゴリズムでキャラソンを聴いてみた時から興味を持ちはじめてしまいました。原作全巻セットを今探しています。「カードキャプターさくら」に関する唯一覚えていることは、顔がカメラになっていて名前がデジカメっていう亀の小動物的キャラがいたことしか覚えていません。
【フォーク/SSW 編】
・Carole King『Tapastry』(1971)
2024年は70年代のサウンド、特にSSWものがマイトレンドでした。キャロル・キングのこのウルトラ大名盤を初めて聴く機会があり、「なんかいいな~」と自分のムードとぴったりはまり、色々聴きだすきっかけになりました。
・金延幸子『み空』(1972)
一度見たら忘れられないなんとも印象的なジャケット、勿論以前から知っていましたが聴く機会をなんか逃していました。2024年は70年代のSSWに興味があり、その流れで満を持して聴いたわけですがウルトラ大名盤でした、、、。本当にもっと早く聴いていればよかったと思ういますがこのタイミングで正解だったとも思う。一度聴いたら心に残り続ける作品だと思います。
・杏『輝く明日はない / 風は何も恐れはしない』(1973)
こちらもTwitterで言及している方がいて知った関西のフォークデュオ。両面どちらの曲もアレンジがよく、一時期すごく聴いていた。「輝く明日はない」のベースがかっこよすぎる。
・Judee Sill『Judee Sill』(1971)
2024年は新旧問わず色んな音楽を聴いてきたけれど、1番の出会いはJudee Sillでした。このことを書き記すためにこの記事を書いたといっても過言ではないです。良さとか上手く語ることができませんが、まっすぐで優しいボーカルとバロック音楽の影響を感じさせるフレーズやコーラスが印象的です。
そして再発盤もあるにも関わらずちょっといい値段のするこのレコードを買いました。愚かだなと思いつつ、一生聴くレコードだろうなという確信があるので後悔は全くありません。50年以上前に吹き込まれた音が記録され、人々の間で語り継がれ、こうして2024年の日本の隅っこに住んでいる人の元へ届き、聴いて泣いているという事象が不思議でたまりません。
__
以上!
2025年は音楽を聴けるほど前向きでいられるでしょうか!